1. 建設Gメンとは?
建設Gメンは、建設業界の法令遵守や適正な取引の確保、働き方改革等の推進を目的としています。特に、建設現場での長時間労働や不当な下請取引の問題に対応するために設立されました。
2. 具体的な業務
(1)建設現場の安全管理:労働者の安全を確保するために、安全基準や法律の遵守状況を確認し、必要な指導を行います。
(2)建築物の品質管理:建築物が設計通りに正しく施工されているか、材料の品質が基準を満たしているかをチェックします。
(3)違法建築の取り締まり:建築基準法に違反する建物の調査・是正指導を行います。
(4)環境保護:建設現場での環境影響を最小限に抑えるための監査と指導を行います。
3. 第三次担い手三法の成立による建設Gメンの強化
第三次担い手三法の成立を受け、国土交通省は建設工事の取引実態を調査する「建設Gメン」の活動を強化します。
(1)令和6年度にはモニタリング調査の人員体制を倍増し、全体で135人体制にします。
(2)建設業法改正により、調査権限が国交相に付与され、契約状況の調査が可能になります。
(3)労務費の見積もりや価格と工期ダンピングの規制も施行予定で、建設Gメンはこれらの調査を進めます。
(4)従来の書面調査の対象業者を大幅に拡大し、そこで把握した疑義情報や「駆け込みホットライン」への通報を活用することで、違反の疑いがより強い事案を優先的に実地調査して必要な改善指導を行います。
(5)サプライチェーン(供給網)全体で取引を適正化するため、元請・下請の建設業者だけでなく、より上流の発注者も調査・指導対象とします。
4. 調査件数の増加だけでなく、調査の「深掘り」も重視へ
(1)書面調査の「下請取引等実態調査(元下調査)」は前年度の2.5倍となる3万業者を対象と予測してします。
(2)書面調査や通報などの情報に基づき、元請各社の支店や現場所長を直接訪問してヒアリングする従来の「モニタリング調査」から、より違反の疑いが強い事案を抽出し、より詳細な調査=「深堀り」を行うことで法令順守の実効性を高めます。
(3)建設Gメンは特定の規模の工事や建設業者、時期に限定せずに調査を行っていきます。
(4)下請けGメンやトラックGメンなどとも連携し、適正な労務費の実現に向けた新たなルールを施行します。
5. 労働基準監督署との連携
建設Gメンと労働基準監督署は合同で建設現場を訪問し、労働環境や法令遵守の状況を調査します。
(1)情報共有:調査結果や違反事例に関する情報を共有し、連携して是正指導を行います。
(2)上限規制の周知:労働時間の上限規制を周知し、適正な労働環境の確保を推進します。
(3)適正工期の確保:適正な工期の確保や労務費の見積もり規制に関する調査を行い、適切な取引環境の整備を支援します。
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